SUPER GT 2020 RD.8 富士

SUPER GT  500クラス

#100 TEAM KUNIMITSU

 

SUPER GT 2020  Rd.8 富士レポート

 

新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた2020シーズンですが、ついに最終戦を迎えることとなりました。今年の最終戦は富士スピードウェイで行われます。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、国内3つのサーキットのみでの開催となり、今季4度目の富士での開催となります。最終戦はハンディウェイトなしでの戦いとなるため、車両本来の実力がぶつかり合うガチンコバトルです。また今シーズンは、最終戦で優勝すればチャンピオンとなるチームが6チームも存在する大混戦。TEAM KUNIMITSUもそのうちのひとつであり、トップとの差は僅か2ポイント。今シーズンのRAYBRIG NSX-GTは表彰台を獲得することはあっても、いまだ未勝利のまま。最終戦で表彰台のてっぺんを勝ち取り王座奪還すべく、チーム一丸となって最終戦に臨みました。

 

■11月28日(土) 予選日■

公式練習  晴れ 気温15℃ / 路温19℃

この時期としては穏やかな気候で迎えた予選日。午前中の公式練習では、今シーズン積み重ねてきた富士のデータをもとに、山本選手・牧野選手ともに車両のバランス確認を行いながら周回を重ねました。レースではピット作業の速さもとても重要となるため、練習走行中にはドライバー・メカニック揃ってのピット作業練習も行い、決勝に向けての準備も行いました。

 

予選Q1  天候:曇り 気温:13℃ 路温:17℃

Q1を担当したのは牧野選手です。これまでの富士のレースと比べると路気温が低くなっているため、コースオープンから1分程でコースイン。いつもより早めにスタートしました。タイヤを温めるため周回を重ね、5周目に1分27秒242をマークしQ1を7位で通過。Q2の山本選手につなぐことができました。

 

予選Q2  曇り 気温12℃ / 路温17℃

Q2を担当したのは山本選手です。山本選手もコースオープンから1分程でコースインしました。好調に周回を重ね、5周目に1分27秒229をマークするも、それを上回る車両も多くRAYBRIG NSX-GTはQ2を7番手で終えました。

 

 

■11月29日(日) 決勝日■

決勝レース  曇り 気温9℃ / 路温17℃

決勝日は前日よりも気温が低いなかでの開催となり、もともとフォーメーションラップは2周で予定されていましたが、1周追加しての決勝スタートとなりました。前日の予選の結果をもって、RAYBRIG NSX-GTは7番手からのスタート。スタートドライバーは牧野選手が担当します。
スタート直後は、他車に前方を許す苦しい状況でしたが、周回を重ねるごとに速さを見せはじめ、次々に前方の車をオーバーテイクしていきます。7番手スタートだった牧野選手が、14周目には3番手までポジションを上げることに成功します。20周頃には他車と2番手争いのバトルを繰り広げ、21周目ついに2番手に浮上。22周を完了したタイミングでRAYBRIG NSX-GTは2番手ポジションのままピットへ入り、ルーティンのピット作業を行いました。

 

ATJメカニックもミスなくピットワークを終え、山本選手をコースに送り出します。全てのチームがピット作業を終えた時点でRAYBRIG NSX-GTは3番手。その後31周目には前方でバトルする2台の隙を狙い再び2番手に浮上します。この時点でトップ車両との差は約15秒。圧倒的な差がありますが、それでもまだレースは折り返し地点。山本選手は無線でエンジニアとやり取りをしながら、タイヤと燃料を上手にマネジメントしながらもトップ車両との差を着実に詰めていきます。

 

15秒だった差は周回を重ねるごとに縮まっていき、53周頃に11秒差、58周頃に4秒差とライバルにプレッシャーを与えていきます。残り3周となる62周目には山本選手はトップとの差を2秒まで縮めていました。しかしライバルもそれ以上の差を許さずファイナルラップとなり、RAYBRIG NSX-GTは2番手でフィニッシュかと誰もが思った最終コーナーで、トップ車両がガス欠でスロー走行。その後ろからRAYBRIG NSX-GTがやってきてストレート上で抜き去り山本選手は最後の最後で逆転しトップでチェッカーを受けました!これでRAYBRIG NSX-GTが最終戦で今季初優勝、そして2020年のシリーズチャンピオンとなりました!!!!

 

チームの全員が悲鳴にも似た声で喜ぶ一方、RAYBRIG NSX-GTはチェッカーを受けた後ウィニングラップの途中で燃料を使い果たし、コース上に力尽きたように止まってしまいました。牽引されてゆっくりパークフェルメまで戻ってきたRAYBRIG NSX-GT。牧野選手をはじめ、チームのみんながその帰りを待ち受けていました。牧野選手にとってはSUPER GTで初めての優勝。大粒の涙を流す牧野選手をRAYBRIG NSX-GTから降りてきた山本選手は笑顔で抱きかかえて喜びました。

 

そして今回の最終戦がRAYBRIG NSX-GTとして最後のレースとなることが決まっていたTEAM KUNIMITSU。RAYBRIG NSX-GTの最後をチャンピオン獲得で終えられることに貢献できて、私たちATJとしてとても嬉しく思います。そしてTEAM KUNIMITSUの2度目のチャンピオンをともに獲得できたことに感謝いたします。

 

ATJとしてSUPER GTに参戦して6年、チャンピオン争いができるメカニック・エンジニアに育ったのもチーム関係者やファンの皆様があってこそだと思っております。今シーズンはこれで終了となりますが、来季さらに強いATJをお見せできるよう精進してまいります。コロナ禍のなか、熱い応援をありがとうございました!!