SUPER GT 2021 RD.8 富士

SUPER GT  500クラス  #1 TEAM KUNIMITSU

 

SUPER GT 2021  Rd.8 富士レポート

 

4月に始まったSUPER GT2021シーズンもついに最終戦を迎えることになりました。今年もコロナ禍での開催ではありましたが、昨シーズンよりも開催サーキットが増えたり、来場者数の制限が緩和されたりとコロナ前の活気を少しずつ取り戻してきたように感じています。最終戦は、戦績によって課されていたサクセスウェイトもなくなり、全車ノーウェイトでのガチンコ勝負です。前戦のもてぎ大会では今シーズンで初めてノーポイントに終わり悔しい結果となってしまったTEAM KUNIMITSU。もてぎ大会後はチーム全体でミーティングを重ね、最終戦に向けて準備してきました。ランキングトップで迎える最終戦。TEAM KUNIMITSUとしてもHONDAとしても、初の連覇がかかっている大事な一戦。やれることは全てやりました。あとは全員がいつものようにパフォーマンスをするのみです。

 

 

■11月27日(土) 予選日■

公式練習  天候:晴れ  気温9℃ / 路温13℃

晴天に恵まれた予選日。午前中の公式練習では牧野選手から走行を開始し、マシンのバランスチェックを行っていきます。後半は山本選手に代わりセッティングの調整を進めるも、思い通りに操れる状態とまではいかず、公式練習は全体で9番手のタイムでした。セッション終了のタイミングではドライバー交代も含めたピット練習も行い、決勝に向けてメカニックも準備を進めていきました。

 

 

予選Q1  天候:晴れ 気温10℃ / 路温13℃

公式練習から予選までの時間を使い、ギリギリまでセッティングの調整を行いました。Q1を担当するのは牧野選手です。路気温が低めなため、予選開始時刻と同時にコースイン。タイヤを温めるために周回を重ねます。5周目のアタックラップで1分26秒011というタイムでコースレコードを更新!この後に出てくる他車のタイムはこれを超えられず終了かと思いきや、牧野選手自身がさらにタイムを更新し、1分26秒000のタイムでQ1をトップで通過しました。

 

予選Q2  天候:晴れ 気温10℃ / 路温13℃

Q2は山本選手が担当します。山本選手もQ2スタートと同時にコースイン。アタックラップに向けて周回を重ねます。5周目に1分25秒867を叩き出し、牧野選手のコースレコードをさらに上回りました!これでトップ確定かと思った矢先、他車がさらに速いタイムを出し、わずか0.1秒の差でQ2を2番手で終えることになりました。ポールポジションを獲得することはできませんでしたが、連覇に向けては決勝で好位置からのスタートをすることができます。

 

 

■11月28日(日) 決勝日■

決勝レース  天候:晴れ  開始時:気温13℃ / 路温23℃

前日の予選結果から、No.1 STANLEY NSX-GTは2番手からのスタートです。スタートドライバーは牧野選手です。オープニングラップはSupra車両の勢いが良く、4番手までポジションを下げてしまいます。7周目にGT300車両の接触によりSC(セーフティカー)が導入。13周目にリスタートとなり、20周目には前方車両を追い抜く場面も見られました。22周を終了した時点でNo.1 STANLEY NSX-GTはルーティンのピットインを実施。牧野選手から山本選手へ交代します。ATJメカニックがミスのないピット作業を行い、山本選手をコースへ送り出します。タイヤの温めに苦戦しながらも30周にはピット作業を終えたチームの中で実質4番手までポジションを戻します。4番手であっても、チャンピオンシップを考えれば申し分のない順位であり、このままの状況であればタイトルを獲得することは有力でした。しかし51周目、GT300の車両がNo.1 STANLEY NSX-GTに追突。足回りにもダメージを負ってしまい、このまま走行することが不可能になってしまいました。なんとかピットまで戻ってくることができたマシンをメカニックがすぐガレージ内に入れます。走行していた山本選手も、メカニックも誰もが「直して最後まで走る」という想いで最低限の修復を行い、およそ10分でコースへ復帰。トップとは7周差となりチャンピオン獲得は消えてしまいましたが、14番手でチェッカーを受けることができました。 予想もしていなかった悲劇に襲われてしまい、TEAM KUNIMITSUはシリーズランキング3位で今シーズンを終えました。

 

 

結果としては「悔しい」や「悲しい」だけでは表現しきれないかたちとなってしまいましたが、それまではTEAM KUNIMITSUのレースとしては、完璧でした。前戦のもてぎ大会での経験を無駄にせず努力を続けたことで、最終戦でのATJメカニックのピット作業は今シーズンで最も速いタイムを記録し、シーズンを通してますます強いチームに成長したことを証明できました。最終戦の悲劇がさらにチームの絆を一層強めたことには違いありません。来シーズンはチャンピオン奪還を目指して戦います。 改めて、今シーズンも沢山の応援をありがとうございました。