SUPER GT 2016 最終戦 ツインリンクもてぎ

SUPER GT500クラス

#15 Drago Modulo Honda Racing

SUPER GT 2016 Rd.3 ツインリンクもてぎ

 

SUPER GT史上初めて11/12Rd.3予選・決勝、11/13Rd.8予選・決勝というタイトなスケジュールで開催。

さらに、大会開催数日前にDrago Modulo Honda Racingが今シーズン限りで活動を終了することが発表されました。今大会が最後の戦いとなることもあり、チーム一同強い想いをもって挑みました。

 

1113()  Rd.8もてぎ■ 入場者数:36,000

9:05 Rd.8予選

天気:晴れ 気温:14℃ 路温:18

日を追うごとに天気が良くなり、今朝は快晴のなか予選がスタートしました。今大会の規則で、Rd.3Rd.8の予選ドライバーは別々であることが決められています。Rd.3を務めた武藤選手に代わり、今回は牧野選手が予選を担当しました。最終戦は、これまで成績に応じて積まれていた「ハンディウェイト」が全て降ろされ、車両本来のパワーで戦うガチンコ対決が見どころとなっています。しかしHONDA勢のトップは10番手のKEIHIN NSX CONCEPT-GTで、我々チームは13番手という結果でした。決勝は後方から攻めていくかたちとなりました。

 

13:30 Rd.8決勝

天気:晴れ 気温:21℃ 路温:28

多くのファンがスタンドから見守るなか、最終戦がスタートしました。第1ドライバーは牧野選手です。彼はタイ大会からドラゴに参戦し、今回が初めての第1ドライバーということで、車両に乗り込む前は少し緊張していたようでした。予選の結果をもって、13番手からのスタートです。周回遅れの車両と重なり始め、渋滞するなかで牧野選手は12番手に上がりました。そのまま順位をキープし20周目にピットイン。牧野選手から武藤選手へ交替しました。ATJのメカニックが行うピットワークも昨日同様の素早いタイムで完了させ、無事にコースへ送り出すことができました。

武藤選手が走行し始めて8周が経ったころ、武藤選手から車の不調の訴えがありました。ピットにいるエンジニアが無線で症状を緩和させるような指示を出します。その後15周ほど走り続けましたが、パワーダウン症状が出てきてしまい、ついに監督から武藤選手へピットに戻るよう無線の指示が入りました。「ごめん。もうこれ以上は危険だ。ピットに戻ろう。」

監督からの無線に、武藤選手の返事はありませんでした。ピットに戻ってきた武藤選手は、涙をこらえながら控え室に消えていきました。この時点でほとんどの人はレースが終了してしまった、と落ち込んでいたと思います。

しかし、メカニックの皆さんは諦めていませんでした。なんとしてでも車を直してチェッカーを受けたい!絶対諦めない!その思いで必死に作業しました。それを見た牧野選手が、急いで武藤選手を呼びに行きました。「武藤さん!もう1回走ってチェッカーを受けましょう!メカニックが応急処置をしてくれてます!」

武藤選手もピットに戻り車両に乗り込む準備をしましたが、再び車両がコースに戻ることはできませんでした。これでDrago Modulo Honda Racingのレースは終了してしまいました。

チーム結成から2年が経ちました。前回のタイ大会では初の表彰台も獲得し、これからますます勝ちを狙いにいけるチームに成長してきたタイミングでの解散はとても残念です。しかし、この2年がATJメカニック達を大きく成長させたことは確かです。今後の活動は未定ですが、次回どこかでATJメカニックがさらに活躍する姿を楽しみにしています。